0歳の頭のかたちってゆがんでる?原因や治療法を紹介

「赤ちゃんの頭のかたちがゆがんでいるような…」

赤ちゃんの頭のかたちを見て、そう感じたことはありませんか?生後まもない赤ちゃんの頭蓋骨は非常に柔らかいため、軽い圧力でも変形してしまうことがあります。
赤ちゃんの頭がゆがむ原因やゆがみの種類、そして治療法について、この記事で詳しく紹介していきます。

なぜ0歳児の頭のかたちはゆがみやすいのでしょうか?

実は生まれたての赤ちゃんの頭の骨はいくつかのパーツに分かれており、それぞれ隙間が空いています。

出典:一般社団法人 日本頭蓋顎顔面外科学会

2歳頃までにはこれらのパーツが結合し、頭蓋骨として形成されますが、それまでは赤ちゃんの頭は非常に柔らかいため、わずかな衝撃や圧力でも頭のかたちが変わってしまうことがあります。
これは専門用語で「頭蓋変形」とも呼ばれます。

赤ちゃんの頭のかたちが変わる主な理由は、主に2つです。

  • 頭蓋骨の変形を引き起こす病気がある
  • 外部からの圧力による変形

早急な治療が必要になるのは、病気が原因となっている場合です。

病気が原因となっている場合、早急な治療が必要となります。
例えば、「頭蓋縫合早期癒合症(ずがいほうごうそうきゆごうしょう)」と呼ばれる病名があり、これは頭蓋骨の異なる部分が通常より早く骨化し、部分的に結合してしまう状態です。
この病態が脳の発達に影響を及ぼし、運動能力や知能の発達に問題を引き起こす可能性があります。
もう一つの要因は、外部からの圧力による変形です。
お母さんのお腹の中での胎児の状態から、初産や多胎妊娠、逆子、出産時の難産や吸引分娩などが頭の形状に影響を与える可能性があります。
また、産後の日常生活においても、同じ方向ばかり向いて寝ることが「向き癖」として頭蓋骨の変形を引き起こすことがあります。

このように、出産や日常生活の中で赤ちゃんの頭のかたちに変化が生じることは自然なことです。もし赤ちゃんの頭が変形していると感じても、親の責任ではないので安心してください。次の章では、赤ちゃんの頭の変形の種類について詳しく見ていきます。

頭蓋変形には、変形のタイプによって異なる呼び名があります。ここでは、代表的な3つをご紹介します。

頭のかたちが左右非対称で、頭の一部が扁平になっている状態の頭蓋変形です。
赤ちゃんの頭を上から見た際に、頭部の片側が斜めに歪んでいることが特徴です。
斜頭症では耳の位置が左右で非対称になったり、頬部が突き出たりして顔にゆがみが生じることもあります。

頭の前後幅が横幅に比べて異常に長くなっている頭蓋変形です。
頭を上や横から見ると、はっきりと頭が長くなっていることが分かります。

頭の横幅が長く、後頭部が丸みを帯びずに平らになっている頭蓋変形です。
この頭の形状は、日本人によく見られ、「絶壁」とよばれることもあります。

では、赤ちゃんの頭のゆがみを矯正する方法には、どのようなものがあるのでしょうか。2つの方法をご紹介いたします。

体位変換は、頭の向きや姿勢を変えることで頭のゆがみを改善する手法です。
おもちゃを使って注意を引いたり、抱っこの向きを変えたりすることで、一定の姿勢を避け、頭のゆがみを矯正します。
タミータイムと呼ばれる、大人の見守りのもとで腹ばいにする方法も効果的ですが、必ず大人が近くで見守り、うつぶせ寝を避けるようにします。なぜなら、うつぶせ寝は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクがあるからです。
生後3ヶ月未満の場合や頭のゆがみが軽い場合には、体位変換を行いながら経過を見ることがあります。

ヘルメット治療は、まだ頭蓋骨が柔らかい生後2ヶ月から6ヶ月の時期に効果的な治療法です。
赤ちゃんそれぞれの頭の形状に合わせた治療用ヘルメットを作成し、装着させることで、理想的な頭の形状に近づけ、頭蓋骨の成長を促進し、自然に頭のかたちを矯正していきます。

0歳の赤ちゃんは頭蓋骨が柔らかく、わずかな圧力でも頭のかたちが変わってしまうことがあります。
軽度のゆがみであれば、体位変換や赤ちゃんの成長に従い、頭のゆがみが自然に改善されることもありますが、中程度以上のゆがみが見られる場合は、自然な形状に戻すのが難しいとされています。
頭の形状や頭蓋骨は成長に伴って硬くなり、固定されていくため、赤ちゃんの頭のゆがみには早期の対策が必要です。
また、潜在的な病気の可能性も排除できませんので、頭のかたちが気になる場合は、まず頭のゆがみを診断できる医療機関に相談することが重要です。

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